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2016年12月12日

Anosmia

前回のブログでお知らせした「Eurydice」、ふたたびロンドンのCentral Saint Martins芸術大学でパフォーミングされたそうです。

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プレゼンターは京都嵯峨芸術大学の松本教授。

そして岩崎教授の香りのアート研究室「perfume art project」のホームページはこちら。

先生が創る世界感を私が感じ取り、それを香りにしたもの。

それが海を渡って、まったく違う文化のなかで生きる人々へ伝えることができたことはとても不思議な経験でした。

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(↑写真は岩崎陽子研究室様の投稿より拝借させていただいています。)

先生の報告によるとアートパフォーマンスは大成功!

香りも好評をいただいたようで、香りをほしいと言ってくださった方もいらっしゃったようです。

本当にうれしく思っています。何より、そういった活動をされている大学研究室(香りのアート)の取り組みがすばらしく、このようなかたちで関われたことを光栄に思います。

 

さて、タイトルの”Anosmia”とは、嗅覚神経障害のことをいいます。

実は私は、今年の3月ウィルス感染(インフルエンザ)がきっかけで嗅覚が失われかけました。

インフルエンザから回復しても嗅覚は一向に戻りませんでした。

幸か不幸か、嗅覚を使う仕事なのですぐに異変に気付きましたが、そんな仕事をしていない場合は気付くのが遅く、手遅れになる場合も少なくないと聞きました。

一般的に、匂いが多少分かりづらくなっても普段生活する分には苦労しないし、気付いたとしても、死に直結する問題ではないと放置してしまうからだそうです。

嗅覚は、人間の五感のなかでも、いちばん原始的な感覚器官です。

でも、それでも退化しないのは、嗅覚は人間を含む動物にとって必要なものだからです。

 

「仕事ができない。」

焦った私は、すぐに嗅覚障害が得意を耳鼻科を調べて行きました。

検査結果は、嗅覚細胞がインフルエンザウィルスによって死んでしまっているとのことでした。

ステロイド点鼻薬と、脳血流改善薬、当帰芍薬散漢方薬などが処方されました。

幸いなことに、嗅覚細胞は可塑性(神経細胞が死んでも回復しやすい)があります。早めに治療を開始すれば、回復する可能性はあると。でも100%元に戻る保証はない。

治ると信じて投薬治療を進めるしかありませんでした。

少しずつ少しずつですが、半年以上経ってやっと、80%~90%あたりまで回復した自覚が持てました。

本当は、治療開始から3か月目ぐらいで、もう一般的な嗅覚レベルに戻っていると医師に言われましたが、職業柄きっと鋭敏になっていたのでしょう、自覚としては60%程度だったと思います。

そのあいだも、もちろん調香のお仕事を中断するわけにはいかず、もちろんお仕事関係の方には事実を言えず、回復しかけの嗅覚と記憶を辿って調香していました。

今は完全に回復しています。回復しているから、このような形で公開できるのだと思います。

そんなことがあって、それを経ての、「Eurydice」です。

だから、私が創った香りが誰かに評価されることは、何よりもうれしいことなのです。

 

嗅覚だけでなく、全ては身体の健康が資本ですね。インフルエンザの予防接種はもちろんのこと、ストレスはなるべく溜めないように。大好きな仕事ができるのですから、感謝して大切にしないといけませんね。

ピンチはチャンスです。

自分の危機管理能力不足を反省するきっかけになりました。

 

アロマ空間デザイナーkanae

 


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